お墓というものは自分達が入るためのものでもありますが、子孫のためのものでもあり、皆で入ってあの世で仲良く暮らしましょうという我が国における大切な家族主義なのですが、残念ながら幸せの象徴である「子孫繁栄」ということが最近では続かなくなっているのです。
家が何代にも亘って続く事や、自分の子孫の者が増えていくことは誰もが望むことであり、人間としての基本的な欲望であったはずなのですが、最近ではそれが叶わなくなってしまいました。
欲望は誰にでもあるもので、仏教では悟りに対しては邪魔なものであり、捨て去るべきものですが、案外人間の幸せというものは、欲望を満たすということにあって、その欲望の中でも究極の幸せが長生きすること、歳を取らない事、若くあり続けること、子孫の者が増え続けることなのです。
お墓にはそういった人間の欲望と幸せが凝縮しているからこそ商売として利用される訳で、高いお金も払うのです。
生き続けることが無理だと分かったら、後は死後の世界に困らない事を求めますが、死後の世界に困らないようにと準備したお墓も跡継ぎの人が居なくなってしまい、誰もお参りする人が居なくなったら、巨大な粗大ごみになってしまいます。
墓じまいの費用は決して安いものではありません。
お墓はよく考えて購入しましょう。