数珠は毎日使う人にとっては消耗品で、使っているうちに切れるようなことがよくあり、切れても修理して使うものですが、直せなくなったり、珠が紛失した場合などに使うことを諦める人が多いようです。
法事やお葬式の時などに必需品である数珠は、喪服を調達した時に葬祭セットとして購入されることが多く、どの宗派でも使える片手で持つ小さいタイプの「略式念誦」と宗派ごとの正式な念珠である「本式念珠」があって、どちらも大抵は持っておられるようです。
念珠というものは、買ったばかりの時には紐がとても硬くて、数珠の形をしっかりと形を保っていて、法事やお葬式のみの使用なら、買ったばかりの時の状態が長く続きますので、紐が切れるようなことはまずありません。
真言宗では数珠を擦るような使い方を良くしますし、真言を唱える時に数珠を繰りながら唱えますので、毎日勤行している人でしたら、使い込んできたら数珠を繋いでいる紐がだんだん伸びてきます。
紐の硬さも最初はとても硬かったものが、柔らかくなってきて、しかも紐が伸びてきますので、数珠の珠の間隔がだんだんと広くなってくるのが分かります。
星月菩提樹と言われる数珠は私も持っていますが、最初は白っぽかった色が、使い込むにつれてだんだんと飴色になってきて、とても良い色合いになってきます。
さて紐がだんだんと伸びてきた念珠の紐は、ある日突然切れてしまいます。
切れた時に数珠の珠がはじけて飛んでいきますので、丁寧に探して回収して下さい。
墓地の通路などで切れた場合などは、飛んで行った珠を回収できなかったりしますが、ある程度探してもダメだったら諦めるしかありません。
数珠はうまく使えば一生の宝物になります。
仏教の法具としての歴史も長い数珠は私達の信仰の証なのかもしれません。