
私達人類の歴史の中で地球上に生きる生命として生まれては死に生まれては死にを延々と繰り返しながらも子孫を残し続けて現在の私達につながっているのですが、死して大地に還ることによって何も残すことなく消えていったのです。
今の時代のようにお墓を建立して生きた証を残すようになったのは人類の長い歴史の中ではつい最近の短い期間の出来事であり、死んだらお墓に入るものという固定観念が出来上がる以前の果てしなく長い時代には死して土に還るものであり、何も残す必要が無かったのです。
私達は死後50年も経てば同じ時代に生きていた人はほとんど居なくなり、100年も経てば知っている人が全く居なくなるのですから、自分が生きた証を残しても、教科書に載るような有名人以外の人は全く忘れられてしまうのですから、何かを残そうとする努力自体が無駄な事であり、死後の安住の地としてのお墓にしても何時かは必ず墓じまいという事態になってしまうので、お墓というものが本当に必要なのかをよく考えてから建立しなければいけません。
お墓を作るにしても土葬のお墓でしたら肉体はやがて土に還ることが出来ますし、古いタイプの土葬の墓のように埋葬した場所の上に河原の自然石を置くだけの墓でしたら、時間の経過とともに完全に自然に還ることが出来たのです。
しかし土葬は死者を埋葬するのに広い場所が必要で都市部には向かないこと、そして伝染病などの防止のため或いは地下水の汚染防止のためということで火葬に切り替わりましたので、今の時代にはごく一部の地域を除いてほぼ100%火葬が普及しています。
土葬が実質的に可能な場所は無いのです。
現代に於いて死して土に還りたいと願う人は意外と多いのですが、土葬という選択肢がありません。
しかしその夢が実現できるのが森の散骨なのです。
森の散骨では遺骨を粉骨する必要がありますが、粉骨することによって自然に還りやすくなり、木の根元に散布することによってその木が吸収してくれると共にシンボルツリーにもなるのです。




